悪魔な天使


ていうか、誰とでもキスすんだね。


ありえない!!

−ガシャ

「おかえりぃ…直どうした」

翔が心配そうな顔で私を見つめる。


「えっ?なにが?」

「なにがって。直泣いてるよ」

泣いてるって…。
まっさかぁなんで泣くのよ

「泣いてないよ」

といいながら頬を触ると、何故か濡れている。


「あれっなんで。」

理由があるとしたら。多分さっきの事しかない。

そう考えたら涙が止まらなくなった。

−ギュー

翔が私をそっと抱きしめた。

「なんかあったんでしょ?」

優しく翔が聞いてくる。
言ったら、私が爽とキスしたってばれちゃう。


「んー。」

どうしよう。言うべきかなっ?でもでもーっ

「言えよ」

翔の目が真っすぐ私を見る。

言うしかないか…。

「爽と楠さん…キスしてた。爽…私にキスしたりしてて。初めてだってとられたのに。他の人とするんだ…って思ったら。」


「……。」

黙ったままの翔。
「しょングッ」

いきなり翔が私の口を口で塞ぐ。


「ンはぁ…くる…しぃよ」


いろんな角度で深く深くキスをする

優しさのかけらもない、怒りで溢れる独占欲丸出しのキス。
< 37 / 107 >

この作品をシェア

pagetop