波乱LOVE■番外編2■~俺様悪魔をフッた場合~
ごっつい手。
低い声。
「無理せんでええから。俺に甘えろって」
私は、抱き寄せられた。
大人の男の人に、こんな風にがっしり抱き寄せられると……
自分の意思と関係なく、心を預けてしまいそうになる。
「コーチ……」
私はコーチの胸で思いっきり泣いた。
ただの噂で、こんなに泣いてしまう自分が情けない。
いろんな涙やった。
こうしてコーチの胸にいる自分自身に対して。
脈なしの大雅のことをまた引きずってる自分に対して。
どうしてええかわからん気持ちが、大粒の涙になって流れる。