波乱LOVE■番外編2■~俺様悪魔をフッた場合~
噂の真相
それから数日が経った。
はっきりと、付き合うなんて答えてない。
でも、ちゃんと断ってもない。
私って最低やん。
コーチの優しさは、私を救ってくれたと同時に苦しめた。
その胸に飛び込んでしまいたいけど、きっと気付いてしまう。
私が飛び込みたいのは、違う人の胸やってこと。
「調べたで」
玄関で仁王立ちしてるのは、我が家の悪魔、お兄ちゃん。
「もうええねん」
「良くないわ。杏奈の兄として、アイツのことを調べる義務があんねんから」
わけのわからんことを言いながら、お兄ちゃんは私の部屋までついてくる。
「お見合いの噂やけど、ほんまみたいやぞ」
「ふ~ん」
あほや。
何、泣いてんの?
私。
自分が素直にならんかったくせに。