波乱LOVE■番外編2■~俺様悪魔をフッた場合~
「学校辞めるってほんまなん?」
「もう噂になってんの?さすが、俺やな」
ふふふって笑った大雅。
笑ってるけど、寂しそうな声。
大雅の表情が見たくて、視線を下に向ける。
ボトボトボトボト
地面に落ちる水滴。
私の涙。
綺麗な涙やない。
後悔の涙。
素直になられへんかった杏奈の汚い涙や。
「ちゅうか…… 今、辞めてきた。もう俺、ここの生徒ちゃうねん」
今度は大雅が空を見上げた。
空を見上げたその瞳。
「ばいばい、杏奈」
大雅はそう言って、チラっと私を見た。
目が合う。
大好きな大雅の目。
虎みたいな鋭い目をしたり、ニヤってエッチな目をしたり……
大雅は、私をいつもドキドキさせてくれた。
大雅、学校辞めたなんて嘘やんな?
明日から、あんたがおらんなんて信じられへん。
あんたのおらん学校なんて……
「杏奈、どないしてん?泣いてんの?」
私の涙に気付いた大雅は、いつもと違って、優しい声で優しい表情で……
だから余計に悲しい。
「杏奈、いろいろありがとうな」
そんな、大雅らしくないことを言ったりするから余計に悲しい。