波乱LOVE■番外編2■~俺様悪魔をフッた場合~
コーチの優しさ
放課後、部活に現れたコーチは何事もなかったかのように自然に接してくれた。
いつも通り。
ほんまに何もなかったんかなって錯覚してしまうくらいに。
なんで30人近くいる部員の中で、私を気に入ったんやろう。
ほんまにわからん。
「1年!! 何しゃべっとんねん!」
コーチに怒鳴られて、喜ぶ1年の数人。
コーチは、時々しか部活にけーへんかったのに、毎日来るようになった。
それを、部員達は3年の引退が近いからやと言ってたけど、亜子と亜里沙と彩加は“絶対杏奈に会いたいからや”と言う。
でもな。
部活中に会うコーチは、全然普通で目も合わさんくらいやで?
“彼女”って言ったことはもう流れたんかな?
まぁええか。
そんな簡単なことじゃないことはわかってたけど、私は考えることが怖い。
コーチのこと、好きじゃない自分。
大雅のこと、まだあきらめれん自分。