ジェイド・ハミルトンの日記
「パパが、……ジェイが毎日つけていたものなの。あなたへの手紙みたい。あなたがいない間のすべてが、ここにあるわ」

 ノートを受け取ると、風がページを繰る。
懐かしいジェイの筆跡。

あぁ……。君からの手紙。

僕はどんなにこれに出会いたかっただろう。
どんなに君の言葉を聞きたかっただろう。
片時も、望まなかった時などない。いつも心にあった。語りかけて欲しかった。君に。ジェイ。

 セピアに色の変わったノートを僕は抱きしめ、この丘で僕の隣でペンを握っていた、幻の君を見る。
波の音がする。
星が輝いている。

 二度と会えないことを、考えなかったわけじゃない。
僕の帰りたかったこの星にはもう、僕の会いたかったふたりはいない。
だけど僕は期待していた。君たちふたりの変わらない笑顔を。

――「私、ずっと待っていたの」
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