ようこそ!秘密の第5校舎へ!
「…瑛一郎様の通行の妨げとなりますので、どうか女子の皆様はおよけ下さい。」
陰森の台詞を聞き、一斉に女子は端によった。
陰森は蘭崎に唯一傍にいて許される人物である。なので、その台詞はほぼ絶対とされる。
“陰森の言葉は蘭崎の言葉”
それが蘭崎を慕う者達の常識なのだ。
「よくやった。」
「お褒めの言葉、ありがとうございます。」
そう言って、蘭崎に向かって陰森は礼をした。
「あ、遥くんだー。おはよー。」
「あ。瑛一郎様、失礼します。」
後ろで睦月の声がしたので、そちらに向かって行った。
陰森は睦月、一縷、零司らと仲が良い。基本、いつも一緒にいる。
睦月達は1年で、陰森は2年なので、さすがにそこで都合が変わってしまうのだが。