ようこそ!秘密の第5校舎へ!
「睦月くん、ボウルありました?早く持ってきてほしいんですけど…。」
「あ、蔵先輩。」
「蔵、今日のおやつは何作ってるの?」
新たに現れた人を見て、一縷と姫乃が別々に呟いた。
新たに来た人物は、荒木蔵(アラギクラ)という。執事科の3年だ。彼は料理が神レベルに上手い。
「今日は紅茶のシフォンケーキです。たまには普通にしてみようかと。」
「はい、蔵先輩。忘れてました。」
「睦月くん、次からは忘れないでくださいね。」
「はーい。」
いや、毎回その台詞言ってるだろ。と、姫乃も一縷も心の中でツッコミを入れた。
いくら言っても、睦月は忘れグセがひどいので無駄となってしまう。それにも関わらず、蔵は毎回言っている。
「はぁ。憂鬱っていうのかな。ヒマ。」
「いつもと同じじゃねぇか…っスか。」
ため息をついた姫乃。一縷はすかさずつっこむ。
「まぁ、いいの。」
何故か笑顔で姫乃は言った。
それが、執事科の日常である。
仕事についてはまたの機会に。