僕等の日々
「…あ!」


奥の部屋から出るなり、雫はソファーに開かれたまま置かれた雑誌に飛び付いた。
それは俺がさっき読んでいたメンズ服の雑誌。


「ミカミ。コレ、今日発売の…」
「あぁ、そうそう。ソレね」
「何で買ってんの!?」
「来月(←これカット!)、俺ら今月号の中から宿題出されたろ?だからヨ」
「あぁ、そっか♪」
「おいおい、忘れんなよ」
「あは、ゴメーンヨ♪」


雫はこっちの宿題だとよろこんでやる。
学校の宿題は嫌いらしいが。

雑誌を開いて自分が載っていると、微妙な心境だ。喜んだほうがいいのやら、恥ずかしがったほうがいいのやら。


「あ。そうだ、雫」


自分が載っているので思い出す。


「なぁに、ミカミ」
「帰り際さ、廊下の貼紙見たか?」
「貼紙?さて…僕は見てないけど」


俺ら不良クラスの人間が使わない昇降口の廊下に張り出された紙。探索していたときに見つけた。


「で、その貼紙がどうしたの?」
「明日、生徒会のメンバーの発表があるんだとさ」
「生徒会?」



生徒会……。

聞こえはいいが適当なもんだ。

「それで?その生徒会が何か?」
「あー、それでなー」


雫は俺の話を聞きつつ、適当に雑誌をめくってる。


「その生徒会新メンバー発表の進行、G組が任されたんだとよ」
「ブッ!!!…ッはぁ!?」


吹き出す雫の気持ちもわからなくはない。
不良クラスと名高いG組は、乱闘騒ぎを起こし破壊を尽くす、そんな人間ばかりが集まったクラスだ。
なのにそんなクラスに進行を任せるなんぞ馬鹿げてる。


「それ…センコー達マジでぬかしてんの?」
「多分な。ったく…何かしら押し付けがましいな、あの学校の教師は」


進行か……。

また一波乱ありそうだ。
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