僕等の日々
「ね、ねッ★モデルってどんな感じなの?ファンレターとかあんの?!今ある!?ねぇ見せて!見せて見せて!」
「「……」」


戸張は跳びはねて、まるでお菓子をせがむ腹の立つ駄々っ子みたいに騒ぎ出した。


……うぜぇな。
女に対してこんなイラついたのは初めてだぞ。


ガラッ。


「あの…

涼河くんと神崎くん、いますか?」
「!!」


静かなイラつきがピークに達する直前、ドアを開けて入ってきたのは、


「副会長ーッ☆」
「また会ったね、涼河くん(^^)」


副会長、日向野遼子だった。
雫が顔面障害をおこしたぞ、誰か助けてやれ。


「あ、で、副会長どうしたの?」


雫の問いに日向野は答えた。


「生徒会新メンバーの進行、朝会と連携してやるらしいの。だから…」



日向野は手を延ばし、雫の髪の寝癖、乱れた制服をあっという間に整えた。
雫の顔が更に緩む。
……笑える。


「うん!きっちり着てるのも全然似合うわ。着崩してるのもいいけど…」
「えっ?」


雫が日向野の言葉の最後を聞き逃したらしい。
軽くショックを受けているのが見て取れた。


「あ…ううんっ!何でもない。じゃ、進行ヨロシク(^^)」
「はいッ☆副会長☆」


日向野は、そのまま笑顔で手を振りながらG組を後にした。


「可愛いッ!!!☆」
「……」


……だんだんこいつが心配になってきた。
< 17 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop