憂鬱ノスタルジア
1.退屈の終焉
─それはいつものこと
むせかえるような喉の渇きで目が覚める。
1.
「レイン様.おはようございます。
ご朝食の準備が整いましたよ?」
いつものように決まった時間に現れたメイドは、ベッドで上半身裸で眠る主人に声をかける
「ん、朝か―……」
朝と言っても真夜中。
寝起きが良いのかレインと呼ばれた男は、眠たい様子も見せずベッドに腰掛ける
「喉乾いた。」
「今 お水をお持ちいたしますね」
「違うよ、君だよ
俺が飲みたいのは……」
カーテンを開けていたメイドは、持って来た水差しからコップに水をいれようとしていたが
不意に背中に気配を感じるとレインが後ろに回っていた
「レ、レイン様……?」
レインの甘く低い声
漆黒の濡れたような髪
吸い込まれそうな蒼い瞳に見つめられ
すぐに顔を赤らめたメイドはトロンとした表情浮かべてレインを見上げる
「つまんないな。」
ゆっくり近づく気配に
期待してしまうメイドに告げられたのは
冷たい声。
†