ずっとスキ。
沈黙が続く中、始めに口を開いたのはあたしだった。
「今言いにくいなら、うち来る?今日誰もいないし。」
下をむいていた美咲が顔を上げた。
「いいの!?ありがとー!」
美咲の笑顔に笑顔を返し、2人で静かに家へ向かった。

「汚いけど・・・」
いつものようにこういうと、美咲はきょとんとした。
「これで・・・汚いの?」
美咲は、いわゆる天然だ。
可愛すぎる。
「で、なに?」
美咲は顔を真っ赤にした。
もう言う準備ができたのだろう。
「美咲ね、悠真が大好きなの!だからね・・・・あのね・・・・」
言うのをためらっている。
何を考えているのか、分からない。
「知ってるよ。悠真も美咲が大好きだからね。」
美咲を笑顔にした。
悠真を使って美咲を笑顔にした。
もう、2人の恋愛模様なんかみていたくないのに。
「あのね!悠真と2人で修学旅行行動したらだめかな!?」
「え・・・・・?」
あたしが1番恐れていたこと。
これが怖かった。
悠真を真正面から奪う美咲。
「ニックネームとか考えてたじゃん。」
とにかく平静を保って、考えを見直させようとした。
「あれは、なんか・・・イメージを崩さないように・・・」
「はあ!?」
あたしはカチンときた。
美咲は天然なんかじゃない。
計算された女なんだ。
< 15 / 25 >

この作品をシェア

pagetop