ずっとスキ。

新学期の始まり

高校受験生になった。
頭は平均くらいで、志望校に受かるのがギリギリではなかった。
でも1日3時間以上は勉強して過ごしている。

今年は悠真に近づけないだろう。

もうそう思ってしまっていた。
悠真とは志望校も違うし、時が経つにつれ忘れられそうで、悠真への想いも、消せそうだった。

「明莉!明莉!佐原と同じクラスじゃない!?」
親友の桐沢美奈に叫ばれ飛び跳ねた。
悠真と同じクラス・・・・。
こんなに望んでいたコトはない。
嬉しい気持ちがこみあげすぎて顔が真っ赤になった。
「諦めるとか言って、ホントは好きなんでしょ?佐原のコト!」
あたしのコトなんでも知っているような目で美奈に見つめられ、自分の本心に気づくことができた。
やっぱり、悠真のコト忘れられるわけなんかない。
今も、変わらずずっとスキ。
「・・・うん。」
顔を隠して照れながらそうつぶやいた。
美奈は笑いながらあたしに抱きついてきた。
「あたし応援するからね!もーっ明莉可愛すぎ~!」
「可愛くないもん。」
美奈とじゃれながらこんなコトを考えていた。
これがラストチャンス。
せっかく同じクラスになったのに、逃したらきっとこの想いを届けられずに終わってしまう。
だから、あたしはあたしができるコトを精一杯するんだ。
って・・・。
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