ずっとスキ。
ドキドキが止まらなくて、幸せな時間はあっという間に終わってしまったけど、久しぶりに2人で話した嬉しさは、言葉にならないくらいのものだった。
昨日よりずっと、スキになった。

「いやー良かったねぇ。明莉幸せだ!羨ましいよ。」
給食を食べながら美奈にグチグチ言われまくった。
「へへへ~!幸せで~す!も~大好き!」
カップルになったわけでもないのにノロケるあたしに美奈はあきれていた。
「そんなにスキなの?じゃあさー悠真のためなら何でもできる?泥飲んだり!」
さすがに無理でしょ?という顔で見てきた。
悔しいからじゃないけれど、悠真のためにできないことはないと思っているつもりだ。
泥を飲むコトで悠真を幸せにできるのなら、きっと飲むと思う。
「無理じゃないよ。スキなんだもん!」
美奈はきょとんとしてこちらをガン見してきた。
「マジ無理!あたしなら無理!美奈様そんなことしませーん!」
美奈は昔から好きな人がころころ変わる。
だから、本気で1人の人を好きな気持ちが分からないんだ。
なんか可愛いなって思えた。
「本気で恋したら分かるよ。」
「なにそれ!?うざっ!」
はじめて大人になれた瞬間だった。
悠真をスキでいることがあたしの成長なんだ。

下校時、あたしは悠真といっぱい喋っていた。
「数学の先生のめがね赤なんだよ!エロ教師だよね!」
「マジ?やっちゃったかー。赤はねぇな!」
こんな話ばっかしてた。
それが、すっごく幸せで、昔に戻れた気がして・・・・。
今からでも時間を取り戻そうって思える。
「くおぉらぁ!蓮見!佐原!HR中に私語すんな!何回言わせるんだ!」
こういう風に怒られるのも、今日だけでもう4度目。
「すみませーん。」
あたし達はふざけて返事して、またひそひそ話した。
< 7 / 25 >

この作品をシェア

pagetop