愛果てるまで
愛性
デートの日はこの上ない快晴だった。かほりは淡い桜色のワンピースで身を包んでいた。今まで中村にしか言ってなかったが俺の好みを見事に射抜いた服装だった。もしかしたら本当に運命の女性と思うほどに。映画館に向う道中も幸せだった。隣りにかほりが居るだけでなんだか誇らしくもあった。あまりの嬉しさに俺は珍しくお喋りになっていた。かほりはそれを静かに、時折頷きながら聞いてくれていた。ずっと俺の目を見つめながら。それでまた俺は有頂天になり道中話していたことは全く覚えていなかった。
暫くすると映画館に着いた。そして指定された席に座りふと時計を見ると上演時間までだいぶ時間があった。そういえばポップコーンも飲み物も買って無いじゃないか。映画に欠かせない二大商品を買ってないとは不覚だった。
「俺ちょっとなんか買ってくるよ。荷物見てて」
荷物を持って買いに行くのはちょっと面倒だ。わざわざ2人で買いに行く必要も無いだろう。かほりにはここでポップコーンと飲み物(恐らくオレンジジュース)を優雅に待っててくれればいいのだ。ポップコーンが優雅かと言われれば別の話だが…。
「私も行く!」
大きな声だった。俺はもちろん、席に座っていた観客が一斉に俺たちに視線を集中させた程に驚いた。驚きもあったがさすがに人々の視線が恥ずかしくてとにかくその場から離れたかった。
「う、うん。…行こっか」
多少驚いてぎこちない応答になってしまったがやはり嬉しかった。あんなにも大きな声を出して引き止めたんだ。きっと俺と一緒に居たかったんだろうとポジティブに考えてみた。現にかほりはずっと俺にベッタリ寄り添って歩いていた。おかげで荷物の煩わしさなど吹っ飛んでしまった。端から見れば大声を出した以上に寄り添っていたほうが恥ずかしい光景だっただろう。しかしそんなのはお構いなしだった。側にかほりがいる…幸せだった。
幸せを堪能しているうちに映画が始まった。俺の大好きなモンスターものの映画。最初は熱中して見ていたのだがふとかほりが気になった。もしかしたら暇してるのではないか、と…。モンスターものは好きだと言っていたが本当にそうなのか疑問に思ったのだ。俺は映画を見てるであろうかほりに目を移した。
暫くすると映画館に着いた。そして指定された席に座りふと時計を見ると上演時間までだいぶ時間があった。そういえばポップコーンも飲み物も買って無いじゃないか。映画に欠かせない二大商品を買ってないとは不覚だった。
「俺ちょっとなんか買ってくるよ。荷物見てて」
荷物を持って買いに行くのはちょっと面倒だ。わざわざ2人で買いに行く必要も無いだろう。かほりにはここでポップコーンと飲み物(恐らくオレンジジュース)を優雅に待っててくれればいいのだ。ポップコーンが優雅かと言われれば別の話だが…。
「私も行く!」
大きな声だった。俺はもちろん、席に座っていた観客が一斉に俺たちに視線を集中させた程に驚いた。驚きもあったがさすがに人々の視線が恥ずかしくてとにかくその場から離れたかった。
「う、うん。…行こっか」
多少驚いてぎこちない応答になってしまったがやはり嬉しかった。あんなにも大きな声を出して引き止めたんだ。きっと俺と一緒に居たかったんだろうとポジティブに考えてみた。現にかほりはずっと俺にベッタリ寄り添って歩いていた。おかげで荷物の煩わしさなど吹っ飛んでしまった。端から見れば大声を出した以上に寄り添っていたほうが恥ずかしい光景だっただろう。しかしそんなのはお構いなしだった。側にかほりがいる…幸せだった。
幸せを堪能しているうちに映画が始まった。俺の大好きなモンスターものの映画。最初は熱中して見ていたのだがふとかほりが気になった。もしかしたら暇してるのではないか、と…。モンスターものは好きだと言っていたが本当にそうなのか疑問に思ったのだ。俺は映画を見てるであろうかほりに目を移した。