愛果てるまで
目を移すとかほりはなんと俺を見つめていた。映画を見るのでは無く俺を見ていたのだ。
「どうしたの?俺の顔になんか付いてる?」
不審に思い聞いてみると
「ううん、みてるだけ」
と返された。…みてるだけ…その行為がおかしいのだが。やはりかほりは俺の事が好きなのか?いやいや、そんな訳ない。とりあえず映画に集中しよう。…と決めたはいいが好きなのかどうかが気になり、更に、ずっとかほりが見つめてるものだから集中できなかった。
映画の後は2人で昼食をとった。食べたのはフランス料理。昼食にフランス料理もどうかと思ったがデートにはフランス料理だろうというこだわりの様な軽い考えでこれに決めた。フランス料理を食べるのは初めてで、俺はそれをすごく後悔した。西洋料理はマナーに厳しいはず…。まぁそんなのはその場の雰囲気でなんとかなるものだろう、と思っていた。が、和食のノリで行った俺が馬鹿だった。
「箸がない」
言った後にしまったと思った。よく考えれば…いやよく考えずともそれくらい常識だろう。しかも店内は静かで俺の発した言葉は瞬く間に店の中をまわった。周りの人は手の動きが一瞬止まり、次の瞬間には所々から忍び笑いが聞こえてきた。更にはそれを聞いていたウェイターが箸を持ってきてしまったから一層恥ずかしくなった。はぁ…散々なデートになってしまった。…ん?デート…。
そうだ、かほり!俺が恥ずかしいのはある意味自業自得だが、一緒に座ってるかほりも当然恥ずかしいはず。しかも目の前に座る馬鹿野郎のせいで恥ずかしいのだ。怒っているかいや、呆れてるかもしれない。おれは祈る様な気持ちで恐る恐る顔を上げた。
「お箸もらえてよかったね」
顔を上げるとかほりはそこで笑顔で待っていてくれて、そう言ってくれた。あまりにも意外な答えで呆気にとられていたらかほりが笑いながら言った。
「どうしたの。口開けたまま固まってるよ」
「いや、おれ…凄いかっこわるかったし…。呆れられて、口もきいてくれないかなとか思ってたから」
俺がそう言うと
「どうしたの?俺の顔になんか付いてる?」
不審に思い聞いてみると
「ううん、みてるだけ」
と返された。…みてるだけ…その行為がおかしいのだが。やはりかほりは俺の事が好きなのか?いやいや、そんな訳ない。とりあえず映画に集中しよう。…と決めたはいいが好きなのかどうかが気になり、更に、ずっとかほりが見つめてるものだから集中できなかった。
映画の後は2人で昼食をとった。食べたのはフランス料理。昼食にフランス料理もどうかと思ったがデートにはフランス料理だろうというこだわりの様な軽い考えでこれに決めた。フランス料理を食べるのは初めてで、俺はそれをすごく後悔した。西洋料理はマナーに厳しいはず…。まぁそんなのはその場の雰囲気でなんとかなるものだろう、と思っていた。が、和食のノリで行った俺が馬鹿だった。
「箸がない」
言った後にしまったと思った。よく考えれば…いやよく考えずともそれくらい常識だろう。しかも店内は静かで俺の発した言葉は瞬く間に店の中をまわった。周りの人は手の動きが一瞬止まり、次の瞬間には所々から忍び笑いが聞こえてきた。更にはそれを聞いていたウェイターが箸を持ってきてしまったから一層恥ずかしくなった。はぁ…散々なデートになってしまった。…ん?デート…。
そうだ、かほり!俺が恥ずかしいのはある意味自業自得だが、一緒に座ってるかほりも当然恥ずかしいはず。しかも目の前に座る馬鹿野郎のせいで恥ずかしいのだ。怒っているかいや、呆れてるかもしれない。おれは祈る様な気持ちで恐る恐る顔を上げた。
「お箸もらえてよかったね」
顔を上げるとかほりはそこで笑顔で待っていてくれて、そう言ってくれた。あまりにも意外な答えで呆気にとられていたらかほりが笑いながら言った。
「どうしたの。口開けたまま固まってるよ」
「いや、おれ…凄いかっこわるかったし…。呆れられて、口もきいてくれないかなとか思ってたから」
俺がそう言うと