愛果てるまで
「なんでもないわよ。ちょっと私が立ち眩んだだけ」
「ほんとに?大丈夫?」
「うん、大丈夫。ありがとう」
そりゃあんなこと言った直後に本人が来たんじゃこうやってごまかすしかないだろう。これが俗に言われる女の友情とやらなのかと思うとかほりも静子も不憫に思えてきた。まぁそれならそれでいい。女の友情に水をさすなんてことしたら大変なことになることはドラマで学習済みだ。
「あぁ、いきなりで俺もびっくりしたけどな」
俺は話を合わせておいた。とはいえ皮肉も混めているから完全に静子に合せたわけでもない。
その後は何もなかったようにかほりと静子が話しているのをただ眺めていた。なんていうか、あんなこと言った後に普通に会話できてるのだ。確かに女の友情は怖い。しばらくして居づらくなったのだろう静子がそそくさと帰っていった。
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