プラチナの誘惑
長身の昴と並んでもひけをとらないスラリとした姿の真田さんは、どう見ても女性からの誘いは多そうなのに…。

どうしてわざわざお見合いなんてしようって思ったんだろう…。
母さんと知り合いって言ってたから断れなかったのかな。
…私が断らなかったらどうするつもりだったんだろう。

ぼんやりと考えている間に、昴と真田さんは軽く当日の話を終えていた。

そして、仕事に戻る真田さんと共に部屋を出た。

ロビーで別れるまで、私の傍らから離れなかった昴に苦笑しつつも、穏やかだった真田さん。

ほんの少しわかりにくい影はあるけれど…昴とのことがなかったらお見合いしても良かったかも。

…なんて。

昴と身体を重ねて、新しい自分になったのか、今までにはなかった余裕を感じる事ができるようになった…。

母さんと話した時と同じ…ゆったりと見方を変えてみれば…優しい気持ちになれるのかも。

そう思える事は…昴の腕に抱かれた夕べがきっかけ。

…昴にはどんな夜だった…?
< 185 / 333 >

この作品をシェア

pagetop