プラチナの誘惑
ホテルを出た私達は、
「ジュエルホワイト」に
引換券を受け取りに向かった。
夕暮れのオレンジ色が町並みを包んで、ほどよく暖かい気持ちが体に充ちてくる。
休日の時間の流れは、私の心もゆったりと落ち着かせて、自然と頬も緩んで…。
しっかりと私の手を握る昴を見上げると、更に緩んでくるのがわかる。
「…何?」
私の歩幅にあわせて歩きながら笑う昴と視線を合わせると、今更ながらに恥ずかしさと照れ臭い気持ちに気づく。
ホテルからジュエルホワイトまでは歩いて10分くらい。
早く着いて欲しい気持ちもあるけれど…。
少しでも長く手をつないでいたいって思う気持ちの方が強い。
つながってるのは手だけじゃなくて、ホテルで見た昴の態度…。
まるで真田さんから私を独占するような…。
何だか自分が昴の特別な存在みたいで嬉しくなる。