プラチナの誘惑
「…相模さんのデザイン」
え?
ぼそっとつぶやいた昴は
食い入るように桜を見ていた。
手に取るのをためらうくらいの輝きをじっと。
「いつもなら、若手がデザインするんだけど…
今年は相模さんが自分からデザインをするって言って…やっぱりすごいな」
三枚の硝子それぞれに刻まれている桜吹雪は、微妙に表情が違っていて、それぞれに何かを言いたげにしている。
「今日二度目だ…」
「ん…?」
「桜を見たの二度目。
午前中は…日和の担当してる物件の内装で…」
思わず野崎邸だと言いそうになった口をなんとかとどめて言葉をつないだ。
…たとえ社員同士でも、お施主様の個人的な情報は、あまりもらしてはいけなくて。
芸能人や政治家…スポーツ選手など知名度の高い人からの受注も多い会社だけに、外部に情報が出ないよう社内でも情報管理は厳しい。
え?
ぼそっとつぶやいた昴は
食い入るように桜を見ていた。
手に取るのをためらうくらいの輝きをじっと。
「いつもなら、若手がデザインするんだけど…
今年は相模さんが自分からデザインをするって言って…やっぱりすごいな」
三枚の硝子それぞれに刻まれている桜吹雪は、微妙に表情が違っていて、それぞれに何かを言いたげにしている。
「今日二度目だ…」
「ん…?」
「桜を見たの二度目。
午前中は…日和の担当してる物件の内装で…」
思わず野崎邸だと言いそうになった口をなんとかとどめて言葉をつないだ。
…たとえ社員同士でも、お施主様の個人的な情報は、あまりもらしてはいけなくて。
芸能人や政治家…スポーツ選手など知名度の高い人からの受注も多い会社だけに、外部に情報が出ないよう社内でも情報管理は厳しい。