プラチナの誘惑
昴の部屋にいた綺麗な女性。
私より年上だと思う。
多分30代前半。
驚きのあまり、玄関で固まってしまった私を見て、同じように驚いていたけれど。

彼女の瞳は何故か優しくて、表情だって驚きから温かい笑顔に変わっていくように見えた…。

「昴に、彩香の他にも手を出してる女がいるって思ったんでしょう？」

「…あ…うん。まぁ…」

まさに日和の言う通り。
昴には、部屋で料理をしたり着替えを置いたり、留守に昴の帰りを待つ事が許された彼女がいるんだって…。

ほんの一瞬でそう考えてしまった。

そう思ってもおかしくない状況だから、私のそんな思考回路はおかしくないと思う。

誰でも私と同じように、部屋から逃げてしまうかな…と思う。

…思ってた。

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