プラチナの誘惑
ん?

顔を上げた日和は曖昧に笑いながらも、私の声に半分戸惑っているみたいで、そんな日和の様子に私もどう反応していいのか…。

「昴のお父さんって…」

小さな声で尋ねた私の予想通り…

「昴のお父さんは、
『sweet sweet』を展開している会社の社長だよ…。
知らなかったの?

会社でもかなり知られてるし、昴もその事隠してないよ」

やっぱり…。

日和の話から、そうじゃないかなとは思ってたけど。
…そうだったんだ。

日和が私の手に返してくれたキーホルダーを見ながら、驚いている自分と

『そうだったのか…』

と不思議と冷静に受け止めてる自分に気付く。
昴のお父さんが会社を経営してる事は知っていたし、かなり裕福だという事も。

そんな表面的な事実は
とっくに知っていて、特に気にする事なんてなかったけれど…。
< 231 / 333 >

この作品をシェア

pagetop