プラチナの誘惑
「あは…そうだったのか…」

自然出る笑い声…。

「どうしたの?今まで落ちてたのに、急に笑って」

怪訝そうな日和の顔もわかるけど…。
私の気持ちはほんの少しだけ穏やかになった。

「ふふっ…。
昴の部屋に…『sweet sweet』の服が…どう見ても女性用の服がいっぱいあって…後ろ向きな事考えちゃってたから…」

「部屋に女を連れ込んであんな事やこんな事…いろいろしてるって思ってた?」

「あぁ…うん。
思ってた」

いたずらに笑いながら聞いてきた日和の言葉は私の思ってたそのままで。

「…悲しいなとも思ってた」

つぶやいた私。
…声の小ささと反比例して、夕べ感じた悲しい気持ちはかなり大きなものだったんだと実感する。

そうでなければ、昴のお父さんの事を聞いて、こんなにホッと穏やかな気持ちにはならないはず…。

「私の事…どう思ってくれてるのかわからないけど、とにかくホッとした」

< 232 / 333 >

この作品をシェア

pagetop