プラチナの誘惑
「…昴の実家が会社をやってるのは知ってたけど…詳しくは知らなかったから。

夕べ借りたシャツも…」

「他の女のもんだと思った?」

「うん…」

小さく認める私にため息をつくと

「他の下着やらも、他の女のもんを彩香に貸したって思ってたんだな」

低い声に、少しの怒りを感じた。

「ごめん…」

呆れているのか、怒っているのか…確実にはわからないけど、昴の表情は悲し気に見える。

「で、とどめは芽実さんだな。
部屋で当たり前に夕飯作ってるの見たら…まぁ
俺の事疑うよな」

ふっと笑って、ソファの背に体を預けると、ジロリと私にきつい視線を投げてきた。

「彼女は兄貴の嫁さん。
大恋愛の末に結婚して、『sweet sweet』のデザイナーもやってる。

この部屋にもたまに出入りしてたけど…」

ほらっと何かを私に放り投げてきた。

慌ててそれを受け取ってみると…。

え…?
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