プラチナの誘惑
もうすぐ病院に着く頃。
二人とも何も話さない穏やかな空気の中。
「…昴と付き合ってるんだな」
悪戯な声が聞こえた。
突然の問いにどういう顔をしていいのかわからないまま前を見て固まってしまった。
「…さっきいた…元受付の女と付き合ってた以来だよな、ちゃんと付き合うの」
「…優美さん…」
「あ、やっぱり知ってたんだな。
かなり有名な二人だったし」
あっさり言う小椋さんには、他意はないんだろうと思うけれど、昴と優美さんの以前の付き合いを言葉で聞くと、やっぱりつらい気持ちになる。
事実を受け止めてはいるけれど、好きな人の中に今も残る
『忘れられない人』
の存在は、私には重く感じる。
昼間、逢坂さんから聞いた優美さんの人柄も見た目同様かなり上等。
昴と別れた理由が何なのかはわからないけれど、別れた後でも笑顔で接している優美さんには…。
悔しいけれど、私にはない魅力を感じる。
そんな女性を心に抱えた昴を好きな私…。
二人とも何も話さない穏やかな空気の中。
「…昴と付き合ってるんだな」
悪戯な声が聞こえた。
突然の問いにどういう顔をしていいのかわからないまま前を見て固まってしまった。
「…さっきいた…元受付の女と付き合ってた以来だよな、ちゃんと付き合うの」
「…優美さん…」
「あ、やっぱり知ってたんだな。
かなり有名な二人だったし」
あっさり言う小椋さんには、他意はないんだろうと思うけれど、昴と優美さんの以前の付き合いを言葉で聞くと、やっぱりつらい気持ちになる。
事実を受け止めてはいるけれど、好きな人の中に今も残る
『忘れられない人』
の存在は、私には重く感じる。
昼間、逢坂さんから聞いた優美さんの人柄も見た目同様かなり上等。
昴と別れた理由が何なのかはわからないけれど、別れた後でも笑顔で接している優美さんには…。
悔しいけれど、私にはない魅力を感じる。
そんな女性を心に抱えた昴を好きな私…。