プラチナの誘惑
「もしかして…これって
キスマークつけた?」

思いついた途端慌ててる私…。

正直、キスマークなんて初めてつけられた…。
25歳にもなってって恥ずかしい気持ちと、どうして昴が私にそんな事するのかわからなくて。

ただただ戸惑って焦って昴を見上げると…。

背中に置かれていた手が更に私を引き寄せて、

「えっ…」

あっという間に降りてきた昴の唇の温かさが私を包んで身動きが取れなくなってしまった…。

「すばる…。なんで…」

呼吸の合間に出す声も飲み込むようなキスにどう応えていいのかわからず昴の思うがままに…。

気づいたら、体全体を昴に預けるように支えられていた。

「ずるいんだよ…彩香…」

キスの途中に聞こえた昴の声。
息も少しあがって熱い吐息と共に。

ずるいってどういう…。

訳がわからないキスを浴びている途中…戸惑う心と同じくらい、このキスを待っていた心にも気づいて…何だかせつなかった。
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