プラチナの誘惑
③
普通に勉強もできて、運動神経もそこそこ。
どちらかと言えば成績は良かった私。
赤点なんて取った事なかったし、体育祭のリレーでもクラス代表で走る事も多かった。
客観的に見れば、かなり頑張っていた今までの私だけど、超がつくほど優秀な姉さんと比べられる日々が、どんどん私の自信を失くしていった。
医者の両親は、姉と私にも医者の道に進んで欲しかったようだけど、私にはその希望を叶えるほどの学力はなくて…。
美術の道に進みたいという想いを泣く泣く受け入れてくれた。
もともと期待されていなかったのもあってかあっさりしたものだった。
姉も医者の道には進まなかったけれど、両親を納得させるには十分な職業の弁護士になった。
何をしても優秀な姉の影で生きてきた私には、両親からの期待もない反面それと引き換えに寂しさと…居場所のない不安定な人生を受け入れるしかなくて。