プラチナの誘惑
何かを考えていた小椋さんは、ふっと思いついたように
「宣伝部の森下って、同期だよな?」
急に出た名前に鼓動が一瞬跳ねた。
彩香の事だ。
「そうですけど…。
小椋さんと何か絡みってありました?」
「いや…。
関係してるのは営業部とこの図面の展示場だ。
販促ツールの開発強化で営業部に引き抜かれたらしいぞ」
「え?営業部?」
「かなり強く宣伝部に頼んだらしい。
社内でも信頼されてるしデザインの感性は一目置かれてるしな。
見た目もいいから営業部はどうしても欲しかったんだろう」
ただ事実をそのまま伝える小椋さんの表情には深い想いなんてなくて、会社員なら当たり前の人事を普通に受け止めてるだけ…。
それに比べて、おれの脈拍は一気に上がって、図面に視線を落としながらも何も見えていない。
営業部は駅二つだけとはいえ離れた場所にある。
「宣伝部の森下って、同期だよな?」
急に出た名前に鼓動が一瞬跳ねた。
彩香の事だ。
「そうですけど…。
小椋さんと何か絡みってありました?」
「いや…。
関係してるのは営業部とこの図面の展示場だ。
販促ツールの開発強化で営業部に引き抜かれたらしいぞ」
「え?営業部?」
「かなり強く宣伝部に頼んだらしい。
社内でも信頼されてるしデザインの感性は一目置かれてるしな。
見た目もいいから営業部はどうしても欲しかったんだろう」
ただ事実をそのまま伝える小椋さんの表情には深い想いなんてなくて、会社員なら当たり前の人事を普通に受け止めてるだけ…。
それに比べて、おれの脈拍は一気に上がって、図面に視線を落としながらも何も見えていない。
営業部は駅二つだけとはいえ離れた場所にある。