プラチナの誘惑
仕事に傾ける努力や時間は半端なくすごい。
小柄な体とベビーフェイスな容姿故に、第一印象で近づく男達の

『守ってやりたい願望』

をばっさり崩してしまう
かなり男らしい…いい女。

そんな日和は小椋さんの直接の部下で、日々鍛えられているらしい。

同期として、同じ設計をする人間として、かなり仲はいい。

「日和に…結婚しろとか言いました?」

「…は?」

思い出すと重くなる気持ちを感じながら、小椋さんに尋ねていた。

「こないだ…彩香…森下に見合いの話を自分に回せってすごい勢いで頼んでたんです。
森下って見合いの話がいくつかあるらしくて…」

そう。

その話を聞いた時の驚きは未だに消えない。
それどころかあらゆる瞬間に思い出しては焦りと怒りが俺の体中に広がる。

あの日日和が飛び込んでこなかったら…。
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