涼×蘭
「で? どうしたの?」

鷹のいつにないほど優しい声……。鷹が涼に問い掛けながら優しく頭を撫でる。

「いつもどおり……なんでもない……」

涼の声が微かに震える。

「涼?」

「……見んな」

顔を上げさせまいと抵抗した涼の顔は簡単に鷹の目に……。

「泣いてるじゃないですか」

クスリと嘲笑気味に笑い、言う。

「……泣いてねぇよ」

「泣いてますよ」

目に綺麗に涙を溜める涼の耳元に顔を近付け、低く囁く。

「蘭がいるんですよ? 俺じゃなくて蘭に抱きつけば良かったのに……」

「こんなハズいの見せられっか……」

「俺に抱きついたのを蘭が見てるのは恥ずかしくないんですか?」

「……」

涼の手に力が入る……。
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