涼×蘭
「……あの時?」

「これはあんま話したくないんで……」

話したくないと黙る涼と、もともと無口な大翔の間に思い沈黙がのし掛かる。

「外が騒がしいな。もう昼か……」

さすがの大翔でも耐えられなかったのか大翔の方から沈黙を破る。

「いつもどこで食べてるんですか?」

「食堂で」

「俺も食堂です。一緒ですね」

少し考えた後、食堂の方を指差し、涼に聞く。

「行くか……?」

「お腹すかないんです」

「そうか……またな」

と言って涼の頭を撫でてから出口に向かう。俺にとって涼は弟以上の存在ではない。
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