涼×蘭
「いやー……鷹さんは涼に飯作ったりー、話(喧嘩とも言う)の相手したりー、柔道(つーか喧嘩)の手合わせしたりーってとこ」

「……喧嘩ばっかじゃん」

「涼と鷹さんすげぇな」

「ま、それだけ信頼してるってことだよ」

鷹だけを、ね。
だからご飯も鷹のしか食べないし、付き人としての役割も鷹にしか任せない。

「あれ? 親はご飯作んないの?」

「忙し過ぎて時々しか作ってやれないんだと。虐待とかじゃないぞ?」

忙し過ぎてって……。

「何の仕事……?」

「父さんが医者で母さんが茶道の家元」

「すげー……」

「涼ってそんなにお坊ちゃんだったの……?」

「坊ちゃんよりもお嬢様のほうが良いかも」

たしかに。
お嬢様よりもお嬢様らしいかもしれない。

習い事の多さや食の細さが。
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