涼×蘭
「ってて……」

涼に追い出された時にぶつけた腰を擦る。
後で年寄りは労るべきだ、と抗論しにいこう。あ、また追い出されるだけか?

「結局、何しにいらしたんですか?」

「え? あ、鷹か……」

「俺じゃなくて涼のほうが良かったですか?」

「うーん……ちょっとだけ?」

「そうですか」

にっこりと笑ってそのまま歩きだそうとする鷹。

「待って! パパとお話してー! 涼にお話聞いてもらえなくて寂しいの!!」

「……仕方ないですね。ところで旦那様、何しに来たんですか?」

「パパで良いよ?」

「自室に戻らせていただきますね」

「いやいやいやいや! 待って! 久しぶりに病院から抜け出してこれたから涼達の顔見たくなっただけ! ここ二、三ヶ月ぐらい見てなかったし……」

「そうですか」

「涼も鷹も大きくなったなぁ……」

子供は会わないうちに大きくなるんだ……。

「……もともと大きいですけどね」

「……」
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