涼×蘭
「……?」

まだ外は暗いのに誰かが扉を開ける。

誰? 蘭……?

違う……蘭は俺の隣で寝てる。

「たか……?」

暗くて誰だか分からない……。

「……」

俺のすぐ傍まで来る。
なんて目だ……。

目を凝らしてみるが分からない……。でもここまで来て声を出さないということは鷹じゃない。それに鷹なら微かに洗剤の香りがするはず……。

「誰……?」

「俺だよ」

この声の主は。

「おじさ……ん」

嗚呼……いけない子……。
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