涼×蘭
「それでね!」

適当に相槌を打ちながら話を聞く。全く、話題の絶えないやつだ……。

それよりも。

「こっちおいで」

「へ? 何で?」

「良いから」

蘭を電車のドア側に寄せる。ちょうど帰宅ラッシュで動きにくいがそこは仕方ない……蘭に無理矢理動いてもらうしか。

「……どうしたの?」

「良いから。話続けて良いよ?」

「っと……」

俺は蘭と向かい合うようにして立つ。

「どうした?」

蘭が一向に話しだそうとしない。

「いや……な、何でもない……」

何か変なことでも……?
蘭の周辺を見回しても何も無い……。

何だ……?

もう一度蘭の顔に焦点を戻す。

嗚呼……成る程……。
< 387 / 766 >

この作品をシェア

pagetop