涼×蘭
耳に心地好いチャイコフスキーの軽やかな旋律が流れる、涼の部屋のキングサイズのベッドの上。

いつの間にか寝てしまったようだ。

視線を天井から俺の隣にずらせば涼がいる。
涼も一緒に寝ましたっけ……?

さらに視線を外にずらせば雨が降っている。

「雨、か……」

「ん……」

涼が起きたようだ……。

「おはようございます」

「たかー……?」

「はい?」

「……Happy Birthday.」

「……あぁ」

今日は誕生日だったか……というか寝起きでこの発音はスゴいと思う。

「あのさ……鷹さ……」

「何です?」

「……」

「涼……?」

「……」

寝てるし……。

軽やかな旋律が静かな旋律へと切り替わろうとしている……嗚呼、また眠くなってきた。




俺の頭の近くに置いてある小包と、添えてあるカード。
綺麗な字で一言。

『十九歳、おめでと』

夢から覚めたら……開けてみようかな……。
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