涼×蘭
「涼ー!! 見て見て見て見て見て見て見てー!」

さて何回見て、と言ったでしょう。

「んー?」

蘭が何か黒くてふわふわしたものを抱えて部屋に入ってきた。

「猫ー!!」

蘭が猫を持ち上げて俺に見せる。蘭に抱えられた猫は脚をぶらーんとさせて眠そうにしている。

「……蘭の飼ってる猫?」

見たかんじ蘭に相当懐いてるようだが……いつ持ってきたんだ?

「違うよー、涼の家の猫でしょ?」

「はぁ? 俺ん家猫なんか飼ってねぇよ……」

玲も同じようなこと言ってたな……。

「えー? 涼の家に居たのにー……ねぇ?」

むすーっとしながら蘭が猫と顔を見合わせる。

猫はチリンと鈴の音を鳴らしながらにゃぁ、と小さく鳴いた。今蘭が猫と話せてるような気がするのはなぜだろう……?
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