涼×蘭
「うわっ!?」

今度はいきなり視界にユウが入ってきた。しかもドアップで。

「ほら」

「え? えーと……?」

「腕、少し広げて」

「こ……こうですか?」

腕を組んでいた状態から少しだけ腕を広げる。ちょうど何か入りやすいような……それぐらいまで……。

「……目つぶって」

何だろう……? そんなことを考えていると腕に何か温かくて重いものが乗っかった。

「……開けて」

耳元で先輩の声がする。それを意識すると少し胸が高鳴る。
ゆっくり眼を開けてみると、腕の中にはおとなしいユウとユウの柔らかい毛並みを微笑みながら優しく撫で続ける大翔の姿が見えた。

目の前に。
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