涼×蘭
「可愛いですね……」

「……」

当然大翔から返事が帰ってくるわけもなく……大翔はユウと遊んでいるだけ。

その手をずーっと見ていると、何かで切ったような後がついていることに気付く。

「先輩……?」

「何だ」

「あの、手は……どうしたんですか?」

「いや……」

そう言いながら、傷を隠すように袖を引っ張った。

そんなことをぼんやり見てたら先輩と目があった。やっぱ先輩って格好良いな……。

爽やかな短髪黒髪に、切れ長な黒目。俺も黒髪に戻そうか……?

「リスカじゃないから…」

あ、傷のことか……。

「……はい」
< 475 / 766 >

この作品をシェア

pagetop