涼×蘭
「大翔の秘密もなんか教えてもらいましょうかね」

「?」

何かあったかな……。

「そうですねぇ……うーん…あ、家族構成とか?」

「……家族」

悩んだ末に家族構成って……。

「兄弟はいらっしゃいますか?」

「……いません」

「一人っ子ですか」

「はい」

「涼と一緒ですね」

「……」

「では、ご両親のお仕事は?」

「……父が警視総監で、母は……秘書……」

ねぇ、大翔さん?

「素敵なお仕事ですね」

貴方はいらないの……。

「――っ」

施設、行く?

「大翔……?」

「は……い?」

「どうかしましたか? 顔が真っ青ですが」

「……大丈夫です」



大翔さん、貴方はいらないの。

耳に残るその忌々しき言葉、声……誰にだって取り除けるものか……。
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