涼×蘭
襖の奥に居るであろうユウを迎えに外に出る。

いるのか不安だが……。

襖を開けて下を見れば、ちょこん、とお座りの状態で上を見るユウが居た。

「良かった……!」

膝を付いてユウに向かって手を差し出す。するとユウは鈴の音を鳴らしながら俺の方へ飛び込んできた。

俺が居る事への安心感からか、ユウはしきりに喉をゴロゴロと鳴らしながら俺にその柔らかい毛を擦り付ける。

「よしよし……」

ユウが安心するように喉元を撫でる。

……いけない、ユウは他人の猫だった。
< 495 / 766 >

この作品をシェア

pagetop