涼×蘭
「あのね」

涼の耳元で、でも数メートル離れた蘭にも聞こえるような声で玲は言う。

「付き合って」

「……え?」

「聞こえなかった? 付き合って?」

「え? いや……え? あー……うん。良いよ?」

「さんきゅっ!」

「……っ!」

蘭は自分の置かれた状況に耐えきれず後ろを向き、走り出した。



その後ろで玲が、買い物に、ね。と言い直した事も聞かずに……。
< 5 / 766 >

この作品をシェア

pagetop