涼×蘭

「涼ーっ！！　たっだいまー！！」

襖をスパーンッ！と勢い良く開けて部屋の中に入ってきたのは涼の父さん。前回と変わらずスーツで、また病院を抜け出してきたのだろう……。

「あれ？！　俺の涼がいない！！
ん？　一輝くん？　うわっ！　久しぶりじゃーん。半年ぶりくらい？　蘭くんもいるー！！
お、新しいのもいるじゃーん！！　名前は？　え？　玲っていうの？　良い名前だね。
あ、俺、涼の父親。よろしくね。

で？　涼は？　ていうかそこにいる小さい時の涼にそっくりな子は誰？　めっちゃ可愛い〜！　誰かの従兄弟？」

マシンガントークかつ親バカとはまさにこのこと。

玲が自分の名前を名乗る以外、誰も入れなかった。

「このガキが涼ですよ」

「本当に？！」

「言ったでしょう？　涼のことで嘘は吐きません、と」

「そうだったね」