涼×蘭
「……ふぅ」

やれやれ……お子様二人の世話は大変だな……と思ってたら溜息が出てきた。
しかしこれはお子様二人に対する溜息じゃない。今この襖の向こうに散らばっている浴衣を思い出しての溜息だ。

「あれを1人で片付けなければならないなんて……」

小さい時、1人で涼の部屋を片付けてた時ぐらい嫌になってくる。

でも自業自得だ。

仕方ない……。

意を決して襖を開ける。

あれ? 明るい? 俺としたことが、消し忘れ?

あれ? 人!?
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