涼×蘭
「兄さん、浩巳様に付いていなくてもよろしいのですか?」

兄さんは涼の叔父さんに付いている人で、涼でいう鷹みたいな存在だ。

「あぁ。浩巳は今日、夜勤だから。そっちこそ涼様に付かなくて良いのか?」

涼の家系は医者家系だ。別に浩巳までもが医者にならなくても良かったが、浩巳は賢(涼の父様)に憧れて、医者になった。

「涼は友達と花火を見に行きましたよ」

「そうか」

「えぇ。……兄さん浴衣畳むの早いですね。俺も見習わなきゃ……」

兄さんは俺が畳んだ倍を畳み終えている……。

「長年の慣れだ」

「年の功ってやつですね?」

「……顔だけなら鷹も同じぐらいだけどな」

「……それ結構気にしてるんですけど」

「……そうだったかな」

ははっ。なんて笑いながら浴衣を畳む兄さんは若過ぎる。33歳のくせして20代後半に見える。
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