涼×蘭
入学式当日に、あぁ……あのチビ、特進に入ったのかな……でも馬鹿そうだったし、普通Bかな……ずいぶんチビだったな。今年、中等部のやつか? でも俺と同じ制服だったしなぁ……。ところで俺の前にいるべきやつは遅いな……。

なんて考えてぼんやりとしてたら、前の奴が来てさ、チラッと顔を見たら目合ってさ。

「……あ」

あのチビだ。
って俺が思ったのに対して、あのチビは。

「えっ……あ……あぅ」

顔を赤くしてやんの。
何だろう……? と思ってたら、

「あの俺……俺、剣ヶ峰蘭!」

いきなりの自己紹介とまだ顔が赤いそいつを見て、

「……俺、朱牡丹涼」

嗚呼……可愛過ぎるな……なんて考えた。


この可愛いという感情が
愛しいという感情に変わり、自分だけのものにしたいという感情に変わるのにそんなに時間はかからなかった。
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