涼×蘭
「ただいま」

「おかえり。ずいぶん歩いてたな」

「涼と歩いてたからさ」

「そ。今度は何を買ってきたの?」

楓が俺の手に持たれている東屋の紙袋を見て聞いてきた。

「……『楓』買ってきた」

「俺……?」

『楓』という夏菓子は一度も買ってきたことがないので、楓はものすごい不思議そうにしている。自分と同じ名前だし。

「ほら、夏菓子」

「あ、本当だ……本当に和菓子、好きだねぇ……」

「うん。大好き。
お茶煎れて、一緒に食べよ」

そんな輝の言葉に、楓が外の雨を見てから言った。

「暑いし、氷出しのお茶にしようか……?」

「うん」

輝のゆーったり、まーったりした夏休み。
皆様もいかがです?
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