涼×蘭
「物思いに耽ってるねぇ……?」

「ん? あぁ。ちょっとな……」

とたんに勠の顔が複雑になる。

「むむむ……」

「なぁに? 勠、もしかして、妬いてる?」

誰にだ? 俺の空想の相手か?

「やっ……妬いてないし……」

「ウソつき」

「ふぇっ?」

耀は勠の腕を引っ張り、勠を自分の膝の上に乗せた。

「顔に書いてあるよ?」

勠を自分の膝の上に乗せると少しばかり勠のが高くなる。たまには見上げるのも悪くない。

「嘘っ! 僕なんも書いてないよ」

「……」

そうか……勠は剣ヶ峰と並ぶ天然バカか……。まず、自分の置かれた状況に全く気ずいてない。

「ねぇまだ何か書いてん?!」

無理矢理勠の唇、奪ってやった。

最初は軽く触れるだけの口付け。

最後は深く、甘く、とろけるような……。
< 68 / 766 >

この作品をシェア

pagetop