涼×蘭
雛を大切だと思えば別にそれ以上の事はしなくても良い。

ただ楽しければそれで良いんじゃないか、と俺は思う。

携帯小説なんかじゃ、彼氏居るのにレイプされて、さらにヤりまくったら子供できちゃって、だけど唯一の心の支えのその彼氏は事故か病気死んじゃって、でも私は強いから、あなたがいなくても幸せよ。みたいのがあるけどそれは何か違う気がする。

俺は雛がレイプされたら怒り狂うし、雛に先立たれたら生きていけない。不幸の底に落とされたら強く生きられない。

雛も、そう思ってくれていれば良いんだけど……。

「雛……?」

水槽から目を離さない雛を呼び、こっちを向かせる。

「ん? 一輝、どうしたの?」

「大好きだよ。ずっと」

「え? あ、えと、うちもその、大好き、だ……よ。ありがと」

あまりに不意打ちすぎた言葉に雛は顔を赤らめ、返事する。……可愛すぎる。

「可愛いなー、もー」

「一輝もカッコいいんだからっ!」
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