涼×蘭
「まさか鷹を巡って、とか?」

「……とりあえず、朝御飯は持ってきますので」

涼の質問に答えずに自室に戻ろうとする鷹を涼が止める。

「じゃあ、友達連れてきて。見たい!」

「はい、では朝御飯は……はい? ここにですか?!」

鷹が珍しいくらいに慌てる。これは何かありそうだ。

「うん。そう。見たいもん」

「いや、それはちょっと……」

「見たい! お願い! 話の仕方から楓じゃないでしょ? 楓以外の友達見たことないし!」

「お願い、ですか……」

手を合わせ'お願い,をする涼を鷹は困ったように見る。先程から黙ったままの蘭は互いの顔を交互に見ている。

「うん。お願い」
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